もしもの時も安心。水を使わず栄養満点!缶詰と乾物で乗り切る災害時レシピ
災害は突然訪れ、電気やガス、そして水道が使えなくなる可能性もございます。特に水道が止まってしまうと、調理だけでなく、手洗いなど衛生面での不安も大きくなります。そのような状況で「きちんと栄養のある食事がとれるだろうか」「体力的に無理なく作れるだろうか」とご心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、備蓄している缶詰や乾物を上手に活用すれば、水を使わずとも、栄養バランスの取れた美味しい食事を準備することが可能です。今回は、もしもの時に役立つ、水を使わない簡単レシピと、備蓄のヒントをご紹介いたします。
水を使わない調理の重要性
災害時に水が不足すると、調理に使う水はもちろん、食器を洗う水も貴重になります。水を使わない調理法は、限られた水を飲料水や衛生維持に充てることを可能にし、体力的負担の軽減にも繋がります。缶詰や乾物は、そのまま食べられたり、少ない水分で戻せたりするため、このような状況での強い味方となります。
備蓄のヒント:缶詰と乾物の選び方
災害時の食事をより安心できるものにするため、備蓄品を選ぶ際には以下の点に注目してみてください。
- プルトップ式の缶詰を選ぶ: 缶切りが不要なプルトップ式は、いざという時にもスムーズに開けることができ、高齢の方にも安心です。
- 普段から食べ慣れたものを: 馴染みのある食材は、非常時でも抵抗なく食べられ、心の安定にも繋がります。
- 栄養バランスを意識して: タンパク質が豊富な肉や魚の缶詰、食物繊維が豊富な豆類や野菜の缶詰、ミネラルが摂れる海藻類の乾物などをバランスよく備蓄しましょう。
- 乾燥野菜や乾物も活用: 切り干し大根や乾燥ひじき、高野豆腐などは、少量でも栄養価が高く、保存性も優れています。水で戻す手間を省ける調理法もございます。
災害時におすすめの水なし簡単レシピ
ここからは、電気・ガス・水道が止まった状況でも、無理なく作れる水なしレシピをご紹介します。火を使わず、混ぜたり和えたりするだけの簡単な工程で、栄養もしっかり摂れる工夫を凝らしました。
1. サバ缶と切り干し大根の混ぜご飯風
サバ缶のうま味と栄養を丸ごと活用する、ご飯に混ぜるだけの簡単レシピです。
材料: * サバ水煮缶:1缶 * 乾燥切り干し大根:お好みでひとつまみ程度 * ご飯(アルファ米を戻したもの、またはパックご飯など):1人分 * あれば醤油やごま油:少量(風味付け)
作り方: 1. 乾燥切り干し大根を細かく手でちぎります。 2. サバ缶を開け、身と汁を分けます。切り干し大根をサバ缶の汁に数分浸し、軽く揉み込んで戻します。汁が少ない場合は、切り干し大根をそのままご飯に混ぜても構いません。 3. ご飯にサバの身と、汁で戻した(またはそのままの)切り干し大根を混ぜ合わせます。 4. お好みで醤油やごま油を少量たらすと、さらに風味が豊かになります。
ポイント: サバ缶からタンパク質やDHAを、切り干し大根から食物繊維を効率よく摂取できます。水を使わず、混ぜるだけなので体力的な負担も少なく済みます。
2. ツナ缶と乾燥ひじきの和え物
ツナ缶のオイルや水煮の汁を活用して、乾燥ひじきを戻すレシピです。
材料: * ツナ缶(オイル漬けまたは水煮):1缶 * 乾燥ひじき:ひとつまみ程度 * あれば醤油や酢:少量(味付け)
作り方: 1. 乾燥ひじきを、ツナ缶のオイルまたは水煮の汁に浸し、しっとりするまで数分置きます。ひじきが汁を吸って柔らかくなります。 2. ツナと汁で戻したひじきを混ぜ合わせます。 3. お好みで醤油や酢を少量加えて味を調えます。
ポイント: ツナからタンパク質とDHA、ひじきからカルシウムや食物繊維が摂れます。水が不要で、常温で美味しくいただけます。
3. フルーツ缶とビスケットの簡単デザート
甘いものは、不安な気持ちを和らげ、心の栄養にもなります。
材料: * フルーツ缶(みかん、桃、パインなど):1缶 * ビスケットまたはクラッカー:適量
作り方: 1. フルーツ缶を開け、汁気を軽く切ります(汁はそのまま飲んでも良いでしょう)。 2. ビスケットやクラッカーにフルーツを乗せてお召し上がりください。
ポイント: 手軽にビタミンと糖分を補給でき、心の安らぎにも繋がります。備蓄しているビスケットやクラッカーで簡単に作れます。
災害時に備える安心のために
今回ご紹介したレシピは、もしもの時に水が使えなくても、栄養バランスを考えた食事を摂るための一例です。日頃から缶詰や乾物を備蓄し、時々試食を兼ねてレシピを作ってみることで、いざという時にも慌てず対応できるようになります。
ご自身の体調を第一に考え、無理のない範囲で、備えを進めていくことが大切です。災害時も、心身ともに健やかに過ごせるよう、普段の備えを今一度見直してみてはいかがでしょうか。